脳卒中から助かる会 ☆☆

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平成17年 8月17日
「脳卒中から助かる会」の質問に対する回答要旨

 「脳卒中から助かる会」上野 正、吉田 孝の両氏より6月21日付けで送付された質問(再修正版)について、回答内容の要旨を以下のごとく提示します。
国立循環器病センター脳血管内科部長
日本脳卒中学会理事
峰松 一夫

  1.急性期治療を行う質の高い専門病院は、以前に比べ必要性が滅ったのか? それとも重要性が増したのか?
 重要性が増していると思われる。診断機器の高度化、治療選択肢の複雑化、t-PA静注療法のように適応基準が厳しく、かつ有益性 と有害性のいずれもがハイレベルにある治療戦略の出現、多くの診療科・職種による急性期チーム医療の重要性の証明(次項参照) などが、その理由である。
 わが国の総合病院は、欧米のみならず東アジア諸国(韓国、台湾、中国)のそれと比べても零細である。従来の「安静と点滴」が 中心であった脳卒中治療の時代ならいざ知らず、高度化した脳卒中急性期診断・治療に対応ができる人材や診療システムを、こう した零細総合病院に準備、展開することは容易ではない。

2.急性期脳卒中治療について
a)脳卒中専門病棟とはどういうものか?
 急性期脳卒中の診療類型は表1のように要約される。SU(stroke unit)とは、脳卒中患者の単一病棟(病床群)に集約し、急性期治療とリハビリテーションとをあわせて、急性期から退院まで一貫した脳卒中専門診療を実施するシステムである(表1のB)。
関連診療科(神経内科、循環器科、脳神経外科など)の医師の集約、さらに看護師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、ソーシャ ルワーカーなど脳卒中診療に特化した多職種によるチーム医療が重視される。このため、この体制の実現には、一定数以上の病床 確保が必要である。
 欧米での大規模臨床試験やそのメタアナリシスで有効性(死亡率低下、自宅退院率増加、入院期間短縮)が証明されたのは、この タイプのSUのみである。表2に、SUに関する欧州の最新ガイドラインを示す。

b)t-PA承認を目前に、今後必要な診療体制、t-PA使用可能な病院の条件は?
 t-PAの有効性は明確なエビデンスとして示されている。1996年以降、t-PA治療を念頭に置いた脳卒中急性期治療ガイドラインが 欧米で発表され、改訂されてきた。いずれも、厳格な治療選択基準(表3)の遵守が求められている。米国のt-Pa市販後調査では、 ガイドライン遵守違反が転帰悪化要因となることが示されている。
 最近発表された我が国の脳卒中治療ガイドライン(2004年版)では、保険適応外のt-PA静脈内投与は脳梗塞急性期の治療法として 有効性が期待されるとしている(グレードA)。ただし、経験を積んだ専門医師が適切な設備を有する施設で、適応基準(脳梗塞発症3時間 以内、CTで早期虚血所見がないかまたは軽微、など)を十分に満たす場合に限るとの条件付きである(表4)。すなわち、「t-PA治療は 確かに有効であるが、いつで、どこでも、誰でも行える簡単な治療ではない」ことが、国内外を問わない専門家の共通認識である。
 t-PA使用のためには、一定の訓練、体制構築が不可欠である。米国ブレインアタック連合が2000年に示した「一次脳卒中センター」 の基準が参考になる(表5)。また、t-PA使用が年間5例未満では治療成績が不安定、悪化しうることが報告されている。
t-PA使用が年間5例以上を確保できる施設とは、計算上「発症24時間以内の脳梗塞入院数が年間100以上」の専門施設となり、これは かなりハードルが高い(国立循環器センターでも200例少し)
 日本脳卒中学会では、@24時間体制でのCT、MRI診断が可能、A専門医(日本脳卒中学会認定専門医など)による診療、B脳外科 治療の選択が容易といった条件に加え、C発症24時間以内の脳梗塞入院数年間100例以上を、t-PA使用の施設基準の一つとする予定 である(平成17年日本脳卒中学会総会で公表、現在は全国調査中)。横浜市立脳血管医療センターは確実にこれに適合すると思われるが 、横浜市内で何施設の医療機関が残るか不明である。

 3.脳率中急性期の高度治療には、専門病院と総合病院のどちらが適しているか?
 これも、ブレインアタック連合の「一次脳卒中センター」基準(表5)が参考になる。専門病院、総合病院という区分はあまり意味が ない。わが国の総合病院は、病院全体の病床数がせいぜい数百床であり、その中に上記基準を満たす「一次脳卒中センター」を設置する には小規模、零細すぎる。従って、ある程度特化した形でのセンター形成が必要であろう。なお、脳血管内治療分野の専門医、脳外科 専門医は、高度専門医療センター等に配備されて、動脈瘤ゃ動脈狭窄などの治療にあたればよいのであって、全ての「一次脳卒中 センター」に必須ではない。

 4.地域完結型医療体制について?
 脳卒中医療に眼らない、疾病救急医療(脳卒中、虚血性心疾患、小児救急)全体の問題である。地域(特定医療圏)の限られた医療資源を、 医療機関の連携、ネットワークによって合理的・有効に活用し、地域全体の医療需要を満足させる体制である。各医療機関の責任ある機能・ 役割分担が条件になる。
 脳卒中の分野では熊本方式が代表とされるが、もともと熊本医療圏では急性期医療が貧弱な一方で、リハビリテーション施設が充実していた。これに、国立循環器病センターにおける脳卒中専門研修から戻った橋本洋一郎医師らが中心になって、新たに急性期脳卒中医療を担うチームが 形成され、従来からのリハビリテーション施設との円滑な連携体制を構築した。リハビリテーション施設側も、リーダーシップをとる人間が 橋本氏と同じ大学(熊本大学)の先輩・後輩の関係にあったという事情があった。事情の異なる国内他地域でも同様の医療体制構築が可能である とは思われない。特に大都市部では、リハビリテーション施設の立地が悪いと言われている(土地代が高いなどの理由)。逆に、熊本方式が、 他の地域の医療体制に比べて有効なシステムであるという質の保証、エビデンスはない。
 中小規模の民間病院が主体の我が国の地域医療において、各医療機関の利害を調整し、これらを束ねて地域が一丸とするのは容易ではない (熊本は例外的)。医療関係者の努力では限界があり、やはり何らかの行政上の誘導、関与が必要であろう。

 5.人ロ300万人都市における脳卒中専門病院に関する方針の妥当性
 急性期用ベッドが100床程度の場合、診療できる急性期脳卒中患者数は年間600〜700名(非脳卒中、他の神経緊急疾患、検査入院なども含む 総入院は1500〜2000人前後)程度で、これは人ロ60〜70万人の地域の全脳卒中発生(人ロ300万人地域の約1/5)をカバーできるに過ぎない。 残る230〜240万人分(全体の4/5)の脳卒中医療は他の医療機関が支えていると推定される。それでも、脳卒中専門病院としては国内有数の規模と言える。
 なお、人ロ530万人のデンマークには約60ヶ所のSUがあり(9万人に1ヶ所のSU)、国内脳卒中患者の約75%がSUで治療を受けているという (中山博文:デンマークのStroke unit. 脳と循環2001;6:325-328)。各SUのベッド数は10〜20床で、いずれも総合病院の1セクションとして存在し、多くは急性期/亜急性期型である(急性期からリハビリ期までの包括型は少数)。これをそのまま人口300万人の横浜市に当てはめると、33ヶ 所の5Uが必要という計算になる。  私がかって主張した意見は、「人口50万当たり1〜2カ所の急性期脳卒中拠点病院を選出し、その施股にスタッフと医療機関を集約し、SUを 設置する。さらに、早期リハビリテーションの実施、および退院日数の短縮のためにリハビリテーション専門病院の充実を図り、限られたベッド数を十分に活用させる医療システムの構築が望まれる」というものであった。また、わが国を代表する大都市(東京、横浜、大阪、名古屋など)には、多くの小規模SUネットワークの中核として、人材教育や脳卒中急性期高度専門医療を担える大規模SU保有施設が最低1つ以上は必要と思われる。こうした見解は、最近発表された米国ブレイン・アタック連合による「総合脳卒中センター comprehensive stroke centers」勧告からも支持される(Alberts MJ,et al:Recommendations fo rcomprehensive stroke centers. A consensus statement from the Brain Attack Coalition. Stroke 2005;36:1957-1618)。
 一方で、回復期リハビリテーション施設の充実も必要である。これがないと、SUは直ちにに機能不全に陥る。2者択一ではなく、両者とも 充実が必要である。

 6.横浜市脳血管医療センターについて
 発足の時より、わが国最大、最新鋭の脳卒中専門医療機関として注目された。少なくとも首都圏、関東圏では、空前の規模の施設である。 鍵となる人材も神経内科や脳血管内治療の分野では一流と目される人材が多い(東北地方の大学の神経内科教授に転任した方もいる)。t=PA治療 などでも登録数は多い。日本脳卒中協会横浜支部が設置され、厚生労働科学研究費補助金による班研究にも参画中である。まさに、首都圏随一の「総合脳卒中センター」であったと考える。
 ただ歴史も浅く、学問的、あるいは診療上の実績が十分に上がったとはいい難い側面がある。まさにこれからというところではなかったかと 思われる。また、本センターに対する当初からの懸念として、@急性期からリハビリ期までをカバーする包括型脳卒中センターであること、 A総合病院の一部門としてではなく単独施設として運営されていることが挙げられていた。@+Aを兼ね備えた施設は国内には存在せず、 運営面、経営面で難しい問題が予想されたからである(「8.補足」参照)。
 今後、同センターの急性期診療機能が健在で、かつ新しく市内数カ所に設置されるSUと適切な連携関係が結ばれれば、横浜市のみならず関東圏、さらには全国をリードしうる体制となろう。まさに、米国ブレイン・アタック連合による「総合脳卒中センター」勧告の内容に適合するからである。
 一方、十分な数の回復期リハビり病床との連携なしには、健全なSUネットワーク体制も成立しない。これらのネットワークの中心には、横浜市脳血管医療センターか、それに準ずる大規模施設の強力なリーダーシップが不可欠であろう。行政による援助も必要と思われる。新しく市内数ヶ所(実際には数十ヶ所必要)に設置されるSUの規模が「一次脳卒中センター」止まりで、「総合脳卒中センター」といえる規模のものが存在しないならば、横浜市、あるいは首都圏の脳卒中急性期医療のレベルは、全国レベルと比較しても不十分な状態が続くであろう。

 7.脳卒中心臓疾患の救急治療の差異 
切迫性に関して、「心臓>脳」という図式は事実と思われる。しかしながら、心臓疾患は如何にも緊急と認識され(例えばひどい胸痛発作)、 黙っていても救急要請が多いのに比ぺ、脳卒中では当初は重篤感がないことも多く、病院への搬送も遅れがちになる。
 心臓疾患は死亡率で治療成績が議論されることが多い。すなわち、死を免れれば問題を残さない(社会・家庭復帰が容易)。一方、脳卒中の 場合は死亡率のみで議論すべきでなく、むしろ機能予後、要介助率で議論すべきである。その意味で、2つの疾愚を「切迫性」という尺度で 比較するのは、誤りである。

 8.補足
 最後に、今から3年ほど前に書いた拙著から、関連する文章を抜粋、転載する。横浜市立脳血管医療センターに代表される「救急医療+回復期リハビリテーション」を一体化した病院完結型専門医療機関(包括型strokeu unit,stroke center)の目指す方向とは矛盾するものであり、この システムが空中分解する危険性をはらんでいることを予言している。横浜市立脳血管医療センターを作った横浜市の失政ではないだろうか?

      ----------- これからの急性期脳卒中センタ ---------

 3つのシナリオ
 今後のわが国の脳卒中診療体制の再構築には、次の3通りのシナリオが考えられる。すなわち、(1)脳卒中診療チームの結成、(2)中〜大規模病院のSU設置、(3)拠点病院へのSCU設置と連携リハビリ病院・介護施設の整備である。最も理想的なのは、(1)→(2)または(1)→(2)→(3)という順に改革が進むことである。しかしながら、わが国の平均的な脳卒中診療体制は零細であり、まず病床や専門職種をある程度整理、集約する必要がある。
 現在の医療制度改革は、従来の有床医療施設を急性期専門病院と療養型病床群とに分ける方向で進んでいる。脳卒中患者の平均在院日数は、 病院平均の約1.5〜2.0倍というところが多い。したがって、(2}のSUの整備・充実は、急性期型病院を目指す地域中核医療機関にとっては実現不可能な情勢である。
 結局、(3)のSCUと後方病床群の整備が最も現実的と思われる。この場合、「どのくらいの規模の病院にどの程度のSCUを整備すべきか」という問題、都市部と地方との格差、診療科の続統合再編成(脳卒中診療科)、院内他科および後方病床群との連携体制の構築など、解決すべき問題は 多い。
 愚者密度の小さい地方でのSCU整備には困難が多く、とりあえず(1)の脳卒中診療チームで対応せざるをえないであろう。
 脳卒中診療科とその問題点
 東北のある脳卒中専門施設では、リハビリテーション部門を廃止し、内科、神経内科、脳神経外科を統合した「脳卒中診療科」を新設し、 超急性期診療に重点に置いた病院組織改革を断行した。大都市部でも、脳卒中専門病院が開設されつつある。国立循環器病センターでも、SCU、NCUの機能強化や規模拡大が行われ、臓器別診療科体制(すなわち内科と外科の統合)への道も模索されている。新しい脳卒中診療 体制への胎動はすでに始まっているのである。
 一方、脳卒中患者は背景にさまざまな全身性疾患を有していることから、脳だけしか診ない「脳卒中診療科」には大きな落とし穴がある。 脳卒中急性期治療の最重要項目は全身管理にあり、脳卒中の30〜40%を占める心原性脳塞栓症およびアテローム血栓性脳梗塞の診察は、心・大血管疾愚の診察なしには成立しないからである。
 脳卒中救急医療とリハビリテーションとは分離される方向にある。脳卒中リハビリテーションを急性期医療のなかにどのように位置づけるか、さらに回復期〜維持期リハビリテーションシステムにスムーズに移行できるシームレスケアをいかに実現するか、またそのためのチーム医療の あり方なども今後の課題である。

 表1 脳卒中急性期診療体制の類型
 A.SCU型(急性期集中治療のみ)
 他疾患と明確に分離された「脳卒中専門病棟(病床)」で、数日以内(通常7日以内)の急性期集中治療のみ。リハビリテーションは 行わない。
 B..SU型(急性期集中治療十リハビリテーション)
 「脳卒中専門病棟(病床)」があり、専属の「脳卒中チーム」が配置され、急性期治療に加えてリハビリテーションも行なわれる。 入院期間は数週間から数カ月。
 C.神経疾患一般診療十リハビリテーション型
 脳卒中患者のみに眼定せず、傷害を有する患者の診療とリハビリテーションが行われる(例:神経内科病棟で急性期脳卒中患者を受け 入れ、他の神経疾患に混じって脳卒中患者の診療とリハビリテーションが行われる場合)。
 D.移動型脳卒中チーム(mobile stroke team)型
「脳卒中専門病棟(病床)」は用意されていない。院内で明確に認知されている「脳卒中チーム」が、各病棟に出向いて脳卒中 患者の診断と治療に当たる。
 E.一般病棟混在型
 急性期脳卒中患者は他疾患患者と混在して収容され、「脳卒中」チームも組織されていない。

 表2 The European Stroke Initiative(EUSI)のガイドライン(Cerebrovasc Dis 2003;16:311-337 and 2004;17(Suppl.2): 1-14より抜粋)
SU治療は一般病棟治療に比べて
 ・死亡を3%減らし、施設入所を3%滅らす。自立患者を6%増やす*。
 ・SUでの治療とリハビリテーションは、全ての脳卒中患者に有効である。
 ・男も女も、若年者も高齢者も、軽症も重症患者にも有効である。
   推奨
 1.脳卒中を疑う症状があれば、直ちに救急隊に連絡すべきである(レベルIII)。
 2.脳卒中患者はSUで治療されなければならない(レベル1)。従って、脳卒中が疑われる患者は遅滞なくSUを有する(または組織的な脳卒中 救急医療を行いうる)直近の医療センターに搬送すべきである。
 3.くも膜下出血患者は、直ちに脳神経外科治療、脳血管内治療および集中治療の可能なセンターに搬送しなければならなない。
 4.SUでは、脳卒中に特化した多職種による治療が提供されなければならない(レペルT)。
 * ここで示されている%は絶対リスク低下率(absolute risk reductionである。Numbers needed to treat(NNT)に置き換えると、3%はNNT 33、6%はNNT16に相当する。

  表3 t-PA治療可能な虚血性脳卒中愚看の特徽(Stroke2005;36:916-921より抜粋)
 ・測定可能な神経学的障害を引き起こす虚血性脳卒中の診断
 ・自然に消失しない神経学的兆候
 ・軽度及び単発性ではない神経学的兆候
 ・重度の障害を有する患者の場合は治療に際して注意を払うべきである
 ・脳卒中の症候がクモ膜下出血を示唆していない
 ・発症から治療開始までの時間が3時間未満
 ・過去3ヶ月間に頭部外傷または脳卒中の既往がない
 ・過去3ヶ月間に心筋梗塞を発症していない
 ・過去21日間に消化管出血または尿路系出血がない
 ・過去14日間に大手術を受けていない
 ・過去7日間に圧迫止血困難な部位における動脈穿刺を受けていない
 ・頭蓋内出血の既往がない
 ・血圧が上昇していない(収縮期血圧<185mmHg及び拡張期血圧<110mmHg)
 ・診察時に活動性出血または急性外傷(骨折)がない
 ・抗凝固薬を服用していない、または服用している場合はINR1.7以下
 ・過去48時間以内にヘパリン投与を受けている場合は、APTTが正常範囲内になければならない
 ・血小板数10万以上
 ・血糖値50mg/dL(2.7mmol/L)以上
 ・発作後の神経脱落症候を伴う痙攣発作がない
 ・CT所見で、複数の脳葉に及ぶ広範囲梗塞(低吸収域>大脳半球の1/3)でない
 ・患者又は家族が治療の潜在的リスクと効果とを理解している

 表4 我が国の脳卒中治療ガイドライン(2004年)における血栓溶解療法(静注法)の位置付け
  静脈内投与
 1.組織プラスミノーゲンアクチベーター(t=PA、保険適応外)の静脈内投与は、経験を積んだ専門医師が適切な設備を有する施設で、 適応基準(脳梗塞発症3時間以内、CTで早期虚血所見がないかまたは軽微、など)を十分に満たす場合については、脳梗塞急性期の治療法として 有効性が期待される(グレードA)。ただし、上記の条件を満たさない場合、予後を悪化させる可能性があるため、その使用は専門的施殴で行われるべきである。
 2.低用量(60,000単位/日)ウロキナーゼの点滴静脈内投与は、急性期(5日以内)の脳血栓症の治療法として行うことを考慮してもよいが、 十分な科学的根拠はない(グレードC1)。
 3.ストレプトキナーゼ(保険適応外)の静脈内投与は、脳梗塞の急性期に行わないように勧められる(グレードD)。
 推奨のグレード
 A:行うように強く勧められる、B:行うように勧められる、C1:行うように考慮しても良いが、十分な科学的根拠がない、C2:科学的根拠がないので、めらない、D:行わないよう勧められる。

 表5 1次脳卒中センターの必要条件(米国ブレインアタック連合 JAMA 2000;238:3102-3109)
・24時間体制での患者受け入れ
・24時間稼働の検査体制(CTなど)
・迅速な脳血管評価(脳神経超音波検査、MRA、脳血管撮影)
・脳卒中集中治療室(SCU)または脳卒中専門病棟(SU)での急性期治療
・脳外科的治療の選択が容易
・脳卒中診療経験の豊かな医師によるリーダーシップ
・看護、リハビリ職種などとのチーム医療
・リハビリ病床や在宅介護システムとの連携  



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